施主と話しているうちに、東京のヒートアイランドの問題になりました
東京の鉄筋コンクリートの建物はまさにその元凶です
「屋根に草を植えられないか、しかも雑草を・・・・・」
施主との雑談の中で始まった計画がこんな形で完成した訳です
屋根の雑草も日本の在来種にこだわった為、
ワザワザ遠い地方の休耕田を借りて育てています
何が出てくるのでしょう?
所在地 | 東京都 |
工 法 | 大断面集成材工法 2階建 |
用 途 | アトリエ |
竣 工 | 2002年4月 |
北面より
屋根を覆っているのは野芝と雑草。土の厚みは最低30㎝。最近流行の薄層緑化では植物がかわいそう。せめて植物が生育できる環境を造ってあげよう。それが勾配屋根の上だって、壁や薄い屋上よりましでしょう。
二階 内部空間
RC並みのワンルーム空間。屋根加重をクリアーするために採用したのが、大断面集成材工法。大断面の構造材は、緑色に塗装して大きな勾配天井。空間のアクセントにしている。
玄関入って
玄関を入るとなぜか対面キッチン。でもこの打ち合わせ室兼食堂のお陰で皆さんが落ち着き、入ってきた人もほっとする空間が出来上がっている。
歯磨き場
施主の希望の歯磨き場。「最近、ご飯の後歯を磨く人が増えてきたが、トイレで磨いたりしているのは切ない」という意見。反対側の壁には歯ブラシ、コップの収納棚付き。モザイクタイルで昔懐かしい学校の流し風。
トイレ
200角のテラコッタ調タイルをベースに5cm角のタイルをボーダーとしアクセントにしている。男女でタイルの色を変化をつけた。
【施工風景】
大断面集成材
屋根加重+300キロ/㎡と約13m間柱なしの空間を確保する為、構造計算で必要とされた柱は150×750。基礎から一体で立ち上げて棟部分を落とし込むわけだが、その施工はまさに職人芸。基礎とアンカーの精度とも完璧でなくては上手く納まらない。非常に緊張する時です。
アクアソイル工事
オレンジ色はジオテキスタイル(崩落防止ネット)、白いのはアクアソイル(軽量土壌)、水を含ませながら広げていきます。勾配のついた屋根の上での作業、足にかかる負担は相当なものです。先に野芝を敷いて串で止め、その後雑草を乗せます。
アゼターフ
休耕田を借りて、初春に土ごと剥いで、芝生と一緒に屋根に敷いた草屋根のモト。屋根に敷くまではこのような土の上に緑色が見える程度だが、この中に様々な植物の種や虫が潜んでいる。
アゼターフ敷き込み
白い軽量土壌の中には給水用のパイプも入っていて、下に置かれたポンプから設置時間になると水が通される。ドリップ式のホースからゆっくり水分が供給されて、雨が降らない時の草の生育を助けている。