東南の方向にある大きな樹木がとてもインパクトがあり、
この樹木を眺めて暮らせるL型の家を計画しました。
所在地 | 東京都 |
工 法 | 木造軸組二階建 |
用 途 | 住宅 |
竣 工 | 2010年10月 |
外観
L型の建物にシンプルな片流れの屋根を掛けました。
外観に変化を持たせる為に、右側の壁を丸く仕上げ、左側は壁のラインを斜めにし、表面は部分的に壁をふかして凹凸を造りました。コーナー部分を丸く仕上げているので、全体に柔らかい雰囲気になります。
外側はケイソウ土を塗って仕上げています。職人の手仕上げの為、吹き付けとは違い、コテで荒く仕上げてもらい、温かみのある壁になりました。
玄関
当初より施主の希望は「沢山の本棚を造りたい」という事でしたので造りつけの本箱を何箇所か造っています。特にこの広めの土間風玄関は、打ち合わせスペースも兼ねている為、巾3.5m 高さ1.3mの本棚を、杉のムク板で造ってもらいました。
リビング
4.5帖の畳を敷いたリビング。
ここでゴロンと横になるのが施主の夢。南側と東側の大きな窓からは明るい光が入ってきます。天井は杉の梁と2階の床板(杉板)を表しとして、壁はケイソウ土で仕上げています。階段も同じ杉の板を使って製作しています。
キッチン
キッチンの壁、天井もケイソウ土仕上げで、この壁は湿度調整をしたり、においも取ってくれます。油や水の掛るところはタイルとステンレス。出窓にハンガーパイプを通して棚を作り、鍋の水切りなどに活用。壁の厚さ7cmを有効に利用してスパイスラックを設置しました。
洗面
洗面は木で型を造り、防水処理をして、底面に100角タイル、他はクラッシュタイルで仕上げ、輸入品の水栓を取り付けてオリジナルの手洗いの完成です。下部の収納扉と壁に埋め込んだ収納棚で生活用品の収納スペースを確保しました。
2階ホール
広いホールになっている2階の洋室、将来は子供部屋になる予定です。湾曲した壁は、玄関の吹抜け用手すりで、木下地に色ガラスを入れて、ケイソウ土で仕上げました。奥には外壁の小窓が見えます。天井は化粧野地板をそのまま表わし、高く解放感のある空間に仕上げました。この2階のホールから見える1本の大きな木のある風景、「この風景を見たい」という最初の印象からこのプランは考え出されました。